Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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そうもくちゅうぎょ

艸木虫魚

薄田 泣菫

Lesen Sie 艸木虫魚 (そうもくちゅうぎょ) von 薄田 泣菫 (すすきだきゅうきん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.254 Zeichen · 226 Bildschirme

Aozora Bunko

2

「京へ上って来る楽しみは、たった一つ鎗の鞘を見る事じゃ。」

と言って、この茶入を前に、いつまでもいつまでも見とれていたものだそうだ。そんなだったから、井筒屋の主人がこの茶入に対する愛し方はまた格別なもので、店にいるときは、いつでもこの茶入を箱に入れて側に置き、縋りつくようにしてその箱に手をかけていたということだ。後に家運が衰えて、止むなく三井八郎右衛門に譲渡さねばならなくなったが、せめて箱だけはと言って、そのまま残しておいたのを、とてももともと通りに家が栄えそうにもないので、いつまでも引き離しておくのも本意ないわけだと、その箱をも三井家に送って、久し振に茶入にめぐり合せたのは名高い話である。

そんな名器に配するように考えられたところを見ても、虚堂墨蹟がむかしからどんなに重んじられたかが、よくわかろうというものだ。

2

紀州家の虚堂墨蹟は、同家の祖先大納言頼宣が、父家康から授ったもので、これについてはいろいろな逸話が伝えられているが、その中で最も興味多く考えられるものを、一つ二つここに思い出してみることにする。

虚堂禅師の筆が、家康の手から紀伊大納言に下されたことを聞いた当時の老中方は、かねて噂にのみは聞いたことのある名品である。