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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme

Aozora Bunko

浅黄は染も地も悪くなりますが」

「その地の悪いのが好きなんだ。どうも手拭の良いのは、顔の皮を剥いて、始末にいけねえ」

「とんでもない。これは出前の註文に入らっしゃる御近所の衆や、お使いの方に差上げる分で――」

「そんな事を言わずに、頼むから一本」

平次は根気よく絡み付きます。生酔らしい執拗さに、番頭はすっかり持て余しましたが、小腹が立ったものとみえて、手拭の山を後ろに庇うように、頑として平次の望みを断わり続けるのでした。

「親分、いい加減にして帰りましょう。浅黄の手拭が要るならその辺で二三反買って行こうじゃありませんか」

見兼ねてガラッ八が口を出します。

「なんだ、人の財布を預かっていると思って、いやに大束を決めるじゃないか――まアいいや、手拭一と筋で喧嘩にもなるめえ、素直に帰ろう」

「危ない、そこは敷居ですよ、親分」

あんよは上手――の形で、ようやく平次を外に伴れ出したガラッ八、日本橋を越してホッとしました。

「八」

「ヘエ――」

「誰も見ちゃいないな」

「ヘエ――」

神田が近くなると、平次の態度は、俄然変ったのです。

「浅黄の手拭を出しな」

「ヘエ――」

「番頭と揉んでいるうちに、手前懐へ一本忍ばせたろう。