Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme

Aozora Bunko

三

去年の秋甚助さんが、娘を自分の嫁に欲しいと言った時、私もツイポンポン断りましたが、それを根に持ったにしても、あんまりひどい仕打でございます。お上のお手に掛るのなら、縛られても繋がれても文句はありませんが、苗字帯刀を許されても、町人はやはり町人同士でございます。まして番頭風情が、人の娘を誘拐すように、つれて行っていいものでしょうか、親分」

与次郎の愚痴は際限もありません。

「よしよし、解ったよ。それじゃ、玉屋へ行ってみよう、香炉が出さえすれば文句はあるまいから」

「有難うございます、親分さん」

三

平次とガラッ八は、すぐ本郷一丁目へ飛びました。玉屋金兵衛の大名屋敷ほどの家と、古道具屋与次郎の小さい汚い店は半丁とも離れておりませんが、なるほど提灯と釣鐘以上の距りです。

最初に行ったのは玉屋、打合せがあったので、待ち構えたように主人が迎えて、早速奥へ案内しました。

「香炉の無くなったのはこの部屋だが、雨戸を締めると、どこからも入りようはない――」

「香炉はあの箱に入れてあったのでしょうね」

平次は違い棚に載せてある打紐の掛った時代付の桐箱を指しました。

「その通りだよ親分、箱から抜かれたのを、翌る日の朝まで気が付かなかったのは迂闊さ。