Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme

Aozora Bunko

八

「親分」

「その毛氈の中を見せて貰いに来たよ」

「…………」

「虚無僧が山を降った様子がないというと、お前の店へ飛込んで着換えをしたはずだ。こんな判りきった事が、どうして今日まで俺に判らなかったろう」

「…………」

「お前があんまり正直そうな顔をしていたからだ」

八

平次は静かに老爺の傍へ腰をおろしました。

「曲者――宗次郎を殺した虚無僧は背の高い男だった――と言ったのはお前だ。掛り合いが恐ろしさに、誰も口を出す者はなかったから、お前が自分の都合の良いように言えた。――俺は多勢の口から曲者は小男だったという話を聞くのに今日半日かかったよ」

「…………」

老爺の眼は魚のように大きく見張られたまま、その手はワナワナと顫えております。

「怨みのある宗次郎を殺すには、どこでもいいわけだが、多勢の見ているところで、こちらの顔を誰にも見せずに殺したかったろう、――曲者の芝居気だ」

「…………」

「幸い、飛鳥山のあの茶店の前で仇討の茶番をする話を聴いた。――お前は、前の日あの茶店を五両という大金を出して株を譲り受けたはずだ――それを聴き込むまでもなく、俺には何もかも解ってしまったよ。