Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme
八
平次は素知らぬ顔で次を促しました。
「親分さん、定吉は私と一緒に出かけて、私と一緒に帰っております。ほんの四半刻ばかり、見世物の中へ入ったきり」
「解った解った、心配することはないよ、お神さん」
平次はそう言ってこの調べを打切りました。
八
「銭形の兄哥、あのお神さんを縛ったものだろうか」
自分の家の方へ帰って行くお仙の後ろ姿を見送って真砂町の喜三郎は言いました。
「いや、あのお神さんはこの上もない善人だ、決して人を殺す女じゃない」
平次は何やら考えております。
「だが、お神さんより外に、お駒を殺す者はないことになるぜ」
喜三郎はなかなか諦めません。
「襦袢二枚と、薄綿入を着ている人間を、後ろからたった一と突きで殺せる女があるだろうか」
と平次。
「フーム」
「お駒は声を立てず、苦しみもせずに死んでいる。あれだけの業をするのは、男でもよほど力のある者だ。お仙のような華奢な人間では、綿入を通すだけでも六つかしい」
「――が、下手人はどうしてもあの家の者か、あの家へ自分の家のように出入する者だ」
喜三郎も屈してはいません。
「房五郎か、でなければ定吉か――ということになる」