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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme

Aozora Bunko

二

二

「新吉、諦めた方がいいぜ。親爺も親爺なら娘も娘だ。あんな犬畜生にも劣った雌に、未練を残すことがあるものか」

翌る日の昼頃、新吉には義理の兄の岩松が、煮えこぼれるほど腹を立てて帰って来ました。人を害めて島流しにされたことのある人間ですから、どうせ物優しい男ではありませんが、三十を越して、めっきり物静かになった兄哥が、こんなに腹を立てたのは、一緒に住んでいる新吉もあまり見たことがありません。

「兄さん、何をそんなに――」

新吉は言いかけて口を緘みました。お駒を犬畜生にする岩松に、反感らしいものを持たないではありませんが、そうかといって、この気の強い義兄に、楯を突くことなどは思いも寄らなかったのです。

「お駒は角の酒屋の次男坊と一緒になるんだとよ、持参付の聟だ、こちとらは傍へも寄り付けるこっちゃねえ」

「えッ、やはりあの辰之助と――」

昨夜お仙の言ったことが、犇々と思い当ります。

「打ち殺してもやりてえが、――あの女には、お前まだ未練があるだろうねえ」

「いえ、兄さん」

「そうじゃねえ。俺の眼は見通しだ。昨夜からお前、ろくに物も食わないじゃないか」

「…………」

「あの親父の房五郎は、四年前の明神様の大喧嘩の時、二三人ならず人を害めている。