Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme
五
「この金に目印でもあるのかい」
「何にもございません」
「それじゃ、どうして金箱の中から選り出したんだ」
「ヘエ――」
こうなると、少しも要領を得ません。
「五日に越して来るなら、今日は三日だから、四日一日は空いているだろう」
「ヘエ――」
「その空いてる四日一日だけ貸して貰おうか。五日の朝のうちには、綺麗に引払って行くから」
「ヘエ――」
倉賀屋総七は、あまり気の進まない様子ですが、顔の良い御用聞の申出を断わるほどの勇気もなかったのです。
「店賃は一両二分、一と月分に負けて貰おうか。――もっとくれと言われても、それで正月の小遣い総仕舞だ」
平次はそんな事を言って、一両二分の金を取出します。
「それには及びませんよ、親分さん。たった一日ぐらいのことなら、どうぞ御自由にお使い下すって」
「いや、借りた家の店賃は、やはり払わないと気が済まねえ。そのかわり一筆請取を書いて貰おうか」
「それじゃ、しばらくお預り申します」
平次の引きそうもない様子を見ると、主人の総七は渋々ながら一筆請取を書いて出しました。
五
「八、いよいよ商売替だよ」
「ヘエ――」
「気の無い返事をするなよ、なんとか景気をつけてくれ」