Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme
良助は落胆した様子です。
「その扮装で歩くと町内の者が気が付くはずだが――」
「このお振袖じゃ、馬道は歩けません。扮装は風呂敷包にして、王子の佐野屋で着換えました」
「フーム」
「佐野屋でお訊き下されば解りますよ、親分」
「まア、いい。皆んな佐野屋で着換えたのか」
「いえ、王子で着換えたのは女形のあっしだけで、あとは六部や虚無僧や巡礼だから気が強いわけで、あの扮装で浅草から繰出しましたよ、ヘエ」
良助の話はよく筋が通ります。
あとは出雲屋の手代佐吉、町内の者二三人、これはいずれも不断着のままで、何の変哲もなく、馬道を出たのも一緒ですから、疑う余地は少しもありません。
ちょうどその時、山の八方へ手分けをして、噂と証拠を掻き集めました、五六人の手先が引揚げて来ました。
「樫谷様、――虚無僧が逃げた様子はございません」
「何?」
報告はみんなこの調子です。
「敵討騒ぎの後前から、山を降りた虚無僧は一人もありません。山番や見廻りの者が言うことですから、これは間違いのない積りで――」
「待て待て。すると、出雲屋宗次郎を殺した下手人は、まだ、この山の中にいるというのだな」
樫谷三七郎は予想外の様子です。