Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme
「あッ」
驚く間もなく、まだ斑々たる血潮のこびり付いたのを、自分の喉笛へ――。
「待った」
平次の手は辛くもそれを払い退けて、必死ともがく老爺の手から血刀を取上げます。
「なア、爺さん、――俺に下手人の解ったのはこういう段取りだ。油屋の兼吉が下手人の疑いを受け、言い解きようがなくなった時、――本当の下手人は俺を追っかけて、兼吉は下手人でない、宗次郎は真物の虚無僧の敵持に、茶番と知らずに斬られた――と言ったよ」
「…………」
「誰かを庇っているのかと思ったら、下手人は、無実の罪に落ちそうな兼吉を助けたかったんだ――俺はその心持をくんでやろうよ」
「…………」
「下手人によく言うがいい。宗次郎は悪い野郎だ、血も涙もない奴だ。幾人もの男があの宗次郎に高利の金を借りて死んだし、幾人もの女は宗次郎の男前に引かされて一緒になり半年か一年で捨てられたり騙されたりして死んだ。――お前の娘、下手人の妹の小稲もお夏に見代えられて子供まで殺して死んだはずだ。宗次郎は鬼とも蛇とも言いようのない悪党だ」
「…………」
「だが、どんな悪人でも、人を殺して済むものじゃない。――いまさら首を縊ったところで、腹を切ったところで追っつくわけはないから、一番心を入れ換えて自首して出るか、坊主になるか、どちらかにするがいい――あの粋な潰し島田を剃り落すのは可哀想