Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme
三
これは並大抵でない綺麗な娘だから、気の多い万兵衛がちょっかいを出していたかも知れない」
「その娘が何だって、こんな家へ来ているんだろう」
「行儀見習という名義だ、――俺の娘なら、こんな家で行儀なんか見習って貰いたくはねえよ」
「有難う。それで大方判った。風呂場を見て、それから一人一人逢わせて貰おうか」
平次は死体の側を離れてまだよく掃除していない風呂場を見ました。
三
中は惨憺たる碧血、――検死が済んだばかりで、洗い清める暇もなかったのでしょう。
金六が説明した通り二重戸でここで大概の物音をさしても、店や、お勝手へは聴えなかったのも無理はありません。万兵衛は通人らしくたしなみの良い男で、外出でも思い立って、髯を剃りに入ったところを、後ろから忍び寄った曲者に、逆手に持った剃刀で右の頸筋をやられたのでしょう。
風呂場の構えは大町人にしても立派で、外からのたった一つの入口は、用心よく内鍵で厳重に締めてあります。
「外から入りようはないな」
平次は自分へ言い聴かせるように駄目を押しました。
「その通りだ、下手人は家の中に居た者だ」
金六も解りきったことを合槌打ちます。