Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme
笹屋の宗太郎は、先刻平次と逢った時とは、打って変ったあわてた姿でした。
「あ、親分さん方、大変な事になりましたな、とうとう泉屋の御隠居夫婦が――」
「お前さん、それを弟のせいだと思いなさるかえ」
「…………」
宗太郎の顔は苦悩に歪んで、咽喉仏が上へ下へと動きます。
「一応家の中を見せて貰いたいが、よいだろうな」
利助の調子は冷たくて非妥協的でした。
「ヘエ――」
二人は上がり込むと、裕福らしいが狭い家の中を、隈なく見て廻りました。入口の二畳、次の六畳、そこにはお仏壇があって、その後ろはお勝手と、不似合に贅沢な風呂場、下女と小僧の寝間、それから八畳一と間、納戸と押入、便所、その奥に、宗太郎の寝間の四畳半が、縁側の先へ継ぎ足したように建て増してあります。
天井にも、床下にも、人間一人隠す場所はありません。
「立派な刀箪笥だが――」
平次は古い箪笥の前に立っております。
「親父が武家上がりで、二三十本ありましたが、性の良いのは売ってしまいましたし、手頃なのは、弟が持出しました」
なるほど、残るのはほんの三四本、それもいい加減のものばかりで、下の方の抽斗は着物箪笥に変っております。