Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme
八
「あッ、親分」
ガラッ八も利助も仰天しました。平次の右足は二三寸短くなって、左肩下がりの醜怪な猫背の恰好になってしまったのです。
「跛者に見えるか」
「見えるどころじゃねえ、宗太郎そっくりだ」
「やはり、あれが弟の宗次だったんだ。二年前に貰った三百両を費い果し、ここへ戻って来て兄貴を殺したが、あると思った現金が、みんな貸しになっている――で、兄貴の宗太郎に化けて、貸金を掻き集めながら、怨みのある泉屋に仇をしていたんだ」
平次の明察、もう塵ほどの曇りもありません。
「それじゃ、どこへ行ったんだ」
と利助が、これも夢の醒めた心持。
「帳面で見ると、この二た月の間に、千両から掻き集めている、その上泉屋から盗った金を合せると一とかどの身上だが、袂や懐へ入る金じゃない、と言って明日から街道筋は鵜の目鷹の目になるから、――船かな」
「なるほど、船だ」
と言ったところで、墨田川の川筋を半刻や一刻の間に、みんな調べる方法はありません。
八
「親分、お品さんは来ませんか」
「何? お品がどうした」
石原の利助の子分、伊三松が飛んで来たのです。
「先刻石原の家へ、ここの宗太郎さんが来て、弟の隠れ家が判ったが、手に余るから、お品さんにも来るようにって、――誘い出したそうですよ」