Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme

Aozora Bunko

三

「菓子に中てられたに違いはねえ。怪しいのはそれを持って来た桑原伊織という侍だが、相手が一万二千石でも大名だ。町人ややくざの悲しさ、どんなに疑っても腹を立っても、ゴマメの歯ぎしりで何にもならねえ」

「…………」

「お部屋様のお銀はそれから半病人、親父の源太郎も取る年だし、倅源助と妹婿の捨吉は弱気で当にならず、お徳がたった一人で腹を立てて、どんな事をしても下手人を探し出し、敵が討てないまでも面を見てやりたい、お願いだから銭形の親分さんに乗出して下さるように――とこういう話で」

ガラッ八はお徳の声色まで使って聞かせました。縁台の上で、菊の香りにひたりながら、二つ三つはお徳にグリグリをやられたのでしょう、何しろ、その熱心さは一と通りのことではありません。

三

「そいつは御免を蒙ろうよ、八」

「ヘエ――?」

ガラッ八は驚きました。話が一段落と見るや、平次はツイと座を立って、縁側の雨戸を一枚引あけ、水の如く入って来る月明かりの中に、ホッと太息を漏らしたのです。

「気の毒だが、そいつは構っちゃいられねえ。俺は町方の御用聞、大名のお家騒動に口を出せる道理もなく、よしや下手人が判ったところで、乗込んで縛るわけにも行くめえ」