Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme

Aozora Bunko

「…………」

平次の自信に圧倒されて、石川良右衛門もさすがに口を緘みました。

「多分非曲は研屋五兵衛の方にあるのでしょう、旦那はどうしても、あの男を生かしてはおけなかった――」

「…………」

「前の日五兵衛から受取った短刀を持って行くと、ちょうど入谷の寮の四方には人もなく、五兵衛は格子の中で、何か考え事をしていました」

「…………」

「格子の中の五兵衛を殺す工夫は、たった一つしかない。幸い窓の外にあった、二間ばかりの竹竿を拾って、その先へ、五兵衛から受取ったばかりの直刃の短刀を差しました。――竹の先は少し割れている、短刀を差込んでみると節のところでピタリと止って、手ごろな槍のようになった」

「…………」

「武家出の石川良右衛門は、槍は名誉の腕前でした。窓の外へ忍び寄ると、何にも気の付かずにいる五兵衛の左首筋へ、格子の外から存分に突っ立てた。竹を捻って引くと、幸か不幸か、短刀は五兵衛の首筋に残って、竹竿だけ手元に戻ったのです。――そのうちに、人が来た様子、竹竿を持ったまま驚いて逃出し、その竹竿を使って流れを飛越した上、血の付いた方を泥に突き差して、そのまま逃げてしまった」