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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme

Aozora Bunko

銭形平次捕物控

一

一

「親分、泥棒は物を盗るのが商売でしょう」

八五郎のガラッ八はまた変なことを言い出しました。

「商売――はおかしいが、まア世間並の泥棒は人の物を盗るだろうな」

銭形平次は、女房のお静に給仕をさせて、遅い朝飯をやりながら、こんな事を言っております。

桜には少し早いが、妙に身内の擽られるような、言うに言われぬ好い陽気です。

「ところがその世間並でねえ泥棒があったんで――」

「物を盗らずに何を盗ったんだ」

「置いて行ったんで、親分」

「物を置いて行く泥棒は無いぜ。八、忘れ物じゃないか」

「戸はコジ開けて入って、他の家へ物を忘れて行く奴は無いでしょう」

「話はこんがらかっていけねえ、一体どこに何があったんだ。手軽に白状しな、お茶を呑みながら聴いてやる」

「白状と来たね。石を抱かせる代りに、せめて落雁を抱かせて貰いたい、――出がらしの番茶も呑みようがある」

「あんな野郎だ、お静、狙われた物を出してやった方がいいよ」

平次が顎をしゃくると、お静は心得て落雁の箱の蓋を払ってやりました。口数は少ないが、柔か味と情愛の籠った、相も変らぬ良い女房振りです。

「親分の前だが、泥棒が金唐革の飛切り上等の懐中煙草入を忘れて行くという法はねえ。