Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme
早耳では天才的なガラッ八の八五郎を、毎朝一と廻りさせて、その情報の中から、何か「異常なもの」を嗅ぎ出そうとするのが、長い間の平次の習慣ででもあったのです。
「河内屋には金が唸るほどあるでしょう」
「それはあるだろう」
「その金には眼もくれず、――坊っちゃんの喜太郎の寝部屋へ忍び込んで、金唐革の贅を尽した懐中煙草入を、手習机の上へ置いて行ったというのは変じゃありませんか」
「昼のうちに誰か忘れて行ったんじゃあるまいね」
「塀を乗越えて、縁側の雨戸をコジ開けて、人の家の中へ物を忘れに入る野郎はありませんよ」
「フーム、少し変だな」
「これが変でなかった日にゃ、落雁を返上して三遍お辞儀をして帰りたいくらいのもんで――」
「お静、ついでに羊羹もあるだろう」
「冗談じゃないぜ、親分、そんなに甘い物を食った日にゃ、溜飲を起す」
「溜飲や血の道と縁のある顔じゃねえ」
「羊羹を食いながら、今度は何を白状しやいいんで――」
「その煙草入は誰のだ」
「解らねえ」
「それ程の品が、持主の解らないことがあるものか、――煙草が入っていたのか」
「粉煙草が少しばかり」
「おかしいぜ八、当分河内屋から眼を離すな。