Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme
「家の者二三人だけは見ましたが、――あとは誰にも申しません。体裁の良いことではないし、それに言う暇もなかったのです」
「もう一度見せて貰いましょうか」
「…………」
主人の又兵衛は、立上がって次の間から、泥棒の置いて行った金唐革の煙草入を持って来ました。
「あ、あなた」
驚いたのは馬場要の女房お米です。
「これですが、親分」
「この煙草入を見知りの方はありませんか。二三日前、河内屋さんへ入った泥棒が置いて行った品ですが」
平次は煙草入を取って、みんなの前に振りました。
「ちょいと拝見」
「…………」
手に取った馬場要、無造作に調べて、
「これは拙者のだが――、泥棒などが持ってくる道理はないて」
こう言って退けるのです。
「もう少し詳しい事を伺えませんか、馬場様。この煙草入はどこで、手に入れなすって、――いつ人へやったとか、無くなったとか」
「…………」
「何も念のためですが――」
「平次」
「ヘエ――」
「お前は、この馬場要が泥棒だと言うのか」
馬場要の顔はサッと蒼くなりました。平次の意図が判ると、凄まじい激怒が、残っている武士気質を刺戟したのです。
「とんでもない、旦那、私はただ、その煙草入が、どこをどうしてこの家へ入って来たか知りたかったのでございます」