Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme
それはよく判っておりますが、旦那の昨夜の事を――」
「黙れ、平次」
馬場要はむずと膝を掴みました。もう一言言い過ぎたら、平次を抜き討ちにやっつけたかも知れません。
「馬場さん、――御腹立はもっともだが、平次は悪気があって言うのではないようだ。堪能するように話してやったら、どうでしょう」
主人又兵衛はこの争いを見兼ねて口を容れました。相手は武士ですが、舅に変りはありません。
「旦那様、仏様の甥の前で、荒い事は御控え下さいまし、――ね親分、昨夜の事は私から申上げましょう」
お米もツイ見兼ねた様子で夫要を止めながら、一方は平次へ妥協的な言葉を掛けるのでした。
「御新造様、有難うございます。そうおっしゃって下されば、どんなに私が助かるかわかりません」
「昨夜はね、親分、夕方から碁が始まって、とうとう夜明かししてしまいましたよ。月に一度はあることですが――」
お米は日頃の鬱憤を少しばかり漏らしております。
「お相手は?」
「町内の升田屋の隠居と、中屋の若主人、お二人とも夜が明けてからお帰りになったのですから、お聴きになれば解ります」
これほど立派な現場不在証明はあるでしょうか。