Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme
「気が付きませんでしたが――」
庄八甚助も、何の心当りもない様子です。
平次は奉公人達を案内させて、念入りに家の内外を見廻りましたが、戸締りにも、庭の霜柱にも、何の変りもありません。
「これ程の品を、家の中に隠してあったとは思われない。八、もう少し念入りに見てくれ」
鼻の良いガラッ八を先に立てて、庭から塀の外を捜し廻りました。
「変なところに棒があるが、誰がこんなところへ持出したんだ」
支配人の庄八は、裏口から出ると、路地の出口に立てかけた棒を指さしました。長さは二間ぐらい、かなり逞しいもので元の方には、したたかに泥が付いております。
「植木の突っかい棒ですよ、誰が持出したんだろう?」
甚助も心当りがない様子です。
「外へ出る物じゃないが、――どれどれ」
平次はいきなりその棒を取上げると、塀へ立てかけてみたり、庭へ持込んで、屋根へ掛けてみたりしましたが、離屋の軒の下に、一箇所霜柱の砕けたところを見ると、そこへ捧を立てかけて、左右前後から見廻しておりましたが、やがて木戸を押しあけて庭へ入ると、ちょうど奥の部屋の前あたりにピタリと立ち止りました。
「梯子を貸して貰いたいが――」