Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十四)雛の別れ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme

Aozora Bunko

汗を拭きながらガラッ八が帰って来ました。

「どうした八」

「どうにもこうにも、泣いたり笑ったり、口説き立てたり、すねたり」

「そんなことはどうでもいい。――あの四半刻はどうしたんだ」

「へッ、それがね、親分。へッ」

「何をニヤニヤしているんだ」

「極りが悪くて言えなかったわけですよ。――久吉の野郎はお弓に会いたさに、隙さえあればフラフラ隠宅へやって行くが、隠居が大目玉を光らせているから、大っぴらに顔を見るわけに行かねエ」

「そんなことはどうでもいいよ。肝腎の――」

「ヘエッ、銭形の親分もこの道ばかりは御存じがないから可笑しい」

「何を言うんだ。馬鹿野郎ッ」

「馬鹿野郎の株は久吉ですよ。隠宅の隣の空家に忍んで、蔭ながらお弓の様子を見ているんですって。こいつは驚くでしょう。親分」

「フーム」

「あの晩も腹立ち紛れに隠宅を飛び出したが、お弓の泣いているのが気になって、隣の空家に入って、そっと様子を見ていたというから甘えもんでしょう」

「それはたしかか」

「久吉は、あの晩自分が飛び出してからのお弓とお仲のやり取りを一言半句残らず知っていますよ。いやはや、その馬鹿馬鹿しいということは」