Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十四)雛の別れ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme

Aozora Bunko

二

平次の激励を背後に聴いて、ガラッ八は出かけて行きました。事件には充分に好奇心を持ちながら、ガラッ八の手柄にさせる気で、平次はしばらく神輿をあげないつもりでしょう。

二

「親分、だから言わないこっちゃない」

ガラッ八が旋風のように飛込んで来たのは、七草粥がすんだ翌る日でした。

「何をあわててるんだ。格子で鼻面を打ったり、弥蔵を拵えたまま人の家へ飛込んだり、第一、突っ立ったまま話をする奴があるかい」

「だから、親分は困るじゃありませんか、昨日ちょいと顔を出しゃ、人一人死なずに済んだかも知れない」

「誰がいったい死んだんだ、落着いて話せ、八」

「あの娘の弟ですよ」

振り返ると入口にしょんぼり立って、十八九の美しい娘が、中の様子に気を兼ねながら、ときどき湧き上がる涙を拭いているのです。

「どこの娘さんだか知らないが、門口へ立って泣いていちゃ気の毒だ。早く中へ入れるがいい」

平次が立ち上がるまでもなく、早くも裏口から廻った女房のお静は、泣き濡れる若い娘を、抱き上げるようにして家の中へ入れてやりました。

少し眼を泣き脹らしておりますが、初々しいうちに確り味のある娘で、至って粗末な身なりながら、好みも上品に、顔形もよく整って、何となく人好きのする風情があります。