Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十四)雛の別れ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme

Aozora Bunko

五

こんな話をすると、

「銭形の、――そいつは一応尤もだが、二人とも溝口屋の子分になりきっているぜ。それにあの晩六助と勘次は、親分の鐘五郎を送って部屋の入口まで来たことは確かだが、そこで親分と別れてもとの席へ帰ったのは、喜太郎も見ている――それからは狐拳の曲飲みだ」

「フーム」

そう言われると、六助と勘次も、鐘五郎を刺す隙がなくなります。

「喜太郎はその間に立たなかったのかな?」

「その間というと」

平次の不審を、佐吉は訊き返しました。

「鐘五郎が自分の部屋に引込んでから、お元が死骸を見付けるまでの四半刻(三十分)ほどの間だ」

「一度手洗に立ったが、それは、ほんのちょっとだ」

と佐吉。

「そのほんのちょっとが恐ろしい」

「喜太郎が立つと、廊下の側にいる人間はなくなるが、廊下に向いた障子はあちこち開いてあるし、部屋の中には燭台が十六、百目蝋燭を惜し気もなく点けている上に、軒には提灯が二十幾つブラ下がっていたんだぜ。まるで昼だ、人間がそっと通れるわけはない」

佐吉の調べも思いの外よく届いております。

五

その晩八五郎は、萎れ返って引揚げて来ました。

「どうした八、目星は付いたか」