Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme
四
「証拠が揃いすぎるよ、八」
「…………」
「他に怪しい奴はないのか」
「ありませんよ。番頭の宗助は子飼いの忠義者だし、手代の竹松は宗助と枕を並べて寝ているし、あとは通いの職人ばかり」
「それから」
「掛り人のお半というのは無類のお人好しで、顔はまずいが気立ての良い女だ。染五郎とお絹のことというと夢中になる」
「そいつは幾つだ」
「二十二三でしょうね、嫁の口を諦め切ったような年増ですよ。――でも小意気な小股の切れ上がった、ちょいと踏めないことはありませんが」
「それっきりか」
「あとは小僧の留吉と、店子の浪人石巻左陣と――」
「その敵役みたいな浪人は何だい」
「丸屋の袋物の内職をさせて貰って、ちょいちょい当らない占いもやります。三十二三の浪人者で、好い男ですよ」
「…………」
「路地の足跡や、川の中の短刀はみんなその浪人が見付けてくれました。見掛けによらない才智者で、うんと褒めてやると、――こいつは兵法の一つだから、何でもないよ、なんて脂下がっていましたが」
「岡っ引も兵法の心得が要るようになったのかな」
平次はそんな事を言いながら、何やら深々と考え込んでしまいました。
四
「親分、大変ッ」