Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme
「では一つ訊きたいが、四日前の――あの神明様の縁日の晩、兄とお前はどうしていたんだ」
平次は最後の問いを投げました。
「あの日は兄と一緒に板橋の親類へ身の振り方の相談に参り、遅くなって泊ってしまいました」
「…………」
平次は黙って引下がりました。その日のうちに板橋へ下っ引を走らせると、彦太郎とお袖兄妹はあの晩板橋で過したことは疑う余地もありません。
「さあ困った」
平次はいつにない迷宮に入り込んでしまったのです。
「親分、手代の久吉は許されましたよ」
ガラッ八がこの報告を持って来たのは翌る日でした。
「どうして無実と解ったんだ」
「お弓と話したのを聴いたのは、あっしばかりじゃなかったんで」
「なるほどな。壁に耳ということを忘れていたよ。ところで、久吉は店へ帰ったのか」
「一度は店へ帰ったが、いや気がさしたものか、暇を取って在所の調布へ帰ったようですよ」
「フーム、御苦労だが、八」
「何です、親分」
八五郎に御苦労などはありません。
「調布へ行って、久吉がどんな様子で帰ったか調べてくれ。五十両と纏まった金を持っているようなら、構わず縛って来い」
「大丈夫ですか、親分」
「俺は少し考えたことがある」