Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十四)雛の別れ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme

Aozora Bunko

四

許嫁のお万をきらって、どうしても祝言しないばかりでなく、ツイ家を外にすることが多くなったから、亡くなった主人も支配人の半九郎(お万の父)への義理で、若旦那を勘当したに違いない。あのお喋舌で浮気っぽくて容貌自慢で、若旦那とはまるっきり反の合わないお万と一緒にされるが嫌で、ツイ自棄なことがあったかも知れないが、それくらいのことで勘当されちゃ若旦那の方が可哀想だ――とそれは御近所衆の噂で――」

「なくなった主人は、支配人の半九郎に、それほど義理があったのかい」

「主人の弱い尻を掴んでいるのだろうとか、主人の命の恩人だとか言いますが、真当のことは解りませんよ」

八五郎の持って来た材料はそれだけ。しかし思いの外役に立ちそうな種だったことは、平次の会心の笑みにも見えるのでした。

四

平次は検屍に立会った上、一と通り家の中を見せて貰いました。本郷きっての大地主で、幾百軒とも知れぬ家作持と言われるにしては、思いの外質素な生活ですが、どうしたことか店も奥も滅茶滅茶の荒らしようで、壁が落ちたり、戸棚が引っくり返されたり、何か大風の吹いた跡のような浅ましさを感じさせられるのです。