Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme
代の恥辱とも言うべき極彩色の普賢菩薩を作らせたのでした。
その後琢堂は、一たんの過ちで、俗悪妖艶な普賢像をこの世に遺すことを悲しみ、京屋善八に交渉して、何とかして買い戻そうとしましたが、さいしょ琢堂が受取った作料を倍にして返しても、仏像を戻してくれず、いかなる歎願も聴き入れないばかりか、かえって普賢像に対する愛着心を煽られて、朝夕自分の側に置いて、寸刻も離さないほどの溺愛ぶりだったのです。
琢堂は純真な芸術家らしい悩みを悩みつづけて、とうとう死んでしまいました。その遺言はたった一つ、「あの極彩色の普賢像を、何とかして取り戻して焼いてくれ――只と言っては、京屋善八は、還してくれないから、その代りに私が精根こめて彫った素木の普賢菩薩、これは琢堂一代のうちでも、五本の指に折られる傑作だ。これを持って行って換えてくれ」というのだったのです。
一人遺された娘のお澄(後のお鈴)は、さっそく勘当されていた兄の丈太郎を呼び寄せ、二人相談の上、素木の普賢像は当分兄が預かって折を見ることにし、妹のお澄は、名を変えて身を包んで京屋へ奉公し、普賢像を引替える折を狙いました。