Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme
――あなたがそれを、どんなに心苦しく思われたかもよく解っております」
「…………」
勝之助はジッと膝に眼を落しました。この一年間、悪人方に転落して行く、心の弱い父の姿を見ることが、どんなに凄まじい苦痛だったでしょう。
「ところが、亡くなった後に残る、父上市太郎様の汚名は何となさいます」
「父の汚名?」
「悪人どもは悉く細工をしてしまいました。明日江戸御帰府の殿様に御覧に入れるため、あなた様の父上市太郎様を奥方不義の相手に拵え御親類方にまで披露の手筈になっております」
「それは本当か」
勝之助の顔はもう一度変りました。
「父上市太郎様の懺悔状を作り、山家斧三郎がそれを持っております。今夜はたぶん深田琴吾、お部屋様などと顔を合せ、最後の手筈を定めることでございましょう」
「どうしてそれが解った」
「お菊の言葉や、父上市太郎様の最期の様子、奥方のお言葉の端々からそれくらいのことは察しました。それに駒形のお屋敷には一昨夜から、三人の諜者を入れ、出入りの商人はことごとく調べ上げてしまいました」
平次の周到さは、たった二日一夜の間に、早くも事件の全貌を掴んでしまったのでしょう。