Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十四)雛の別れ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme

Aozora Bunko

三

でした。

この情勢におどろいたのは、笹野新三郎と銭形平次です。自分たちの寄談が洩れたためとはもとより知る由もなく、ただ呆気に取られて、ことの成行きを見るばかり――。それよりも驚いたのはガラッ八の八五郎でした。

「だから言わないこっちゃない、親分」

こいつは親分の銭形平次に喰ってかかりそうな勢いです。

三

「親分、切支丹のことで会いたいって人があるんだが」

ガラッ八はまた何か連れ込んだ様子です。

「何だ、お客様じゃないか。お前一人で心得ていずに、こっちへ通すがいい」

「会ってくれますか、親分」

ガラッ八は路地へ取って返すと、若い女を一人呼び込んで来ました。

「叔母の知り合いですがね、ぜひ親分にお目に掛ってお願いをしたいことがあるんですって」

紹介されて黙ってお辞儀をしたのは、二十二三の淋しい美しい女でした。――例えば狭くて鬱陶しい平次の家の庭の隅に遠慮しいしい咲いている、紫陽花のような――。

「何か、私に用事で」

切支丹一件ですっかり気を腐らしている平次は、この淋しい女から何か重大な暗示を受けるような気がしたのでしょう。

「親分さん。どうぞ、多勢の人達を助けて下さい。