Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十四)雛の別れ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme

Aozora Bunko

六

「待て待て、仮名が四つ、本字が三つじゃ手の付けようがない。何か順序があるだろう」

その順序を定めるのが一と苦労でした。道順も札順もない江戸の橋と堂宮を、どう並べたものか、最初は手の付けようがなかったのです。

しかし、平次の叡智は次第にバラバラの文字から鍵を見出しました。

「谷という字と中という字と寺という字があって、あとは仮名が四つだ。中谷寺というのはないから、谷中○○○○寺と読ませるんだろう。今晩の火は一ヶ所だけかな」

「四つの仮名は何でしょう、親分」

「本字は堂宮で、仮名四つは橋の欄干にあったんだ。――橋は上野から日本橋までだから、三つ橋、昌平橋、今川橋、日本橋の順序で読ませるつもりだろう。並べて見るがいい」

「ケントクと読めますよ」

「そんな寺は谷中にないなア、八」

「行ってみようじゃありませんか」

二人は出かけました。それはもう日が暮れてから、その晩の冒険が、どんなものか、もとより知る由もありません。

六

江戸の街を掌の中のごとく心得た二人も、谷中にこんな寺があるとは気も付きませんでした。それは谷中といっても道灌山に近く、寺というよりは無住の庵室で、木立の中に置き忘れたまま、近所の百姓が物置に使っているような荒れ果てた建物でした。