Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme
もっとも外から声を掛けて、鐘五郎自身に開けさせて入るという術はありますが、その仮説は鐘五郎の性格を知らない人の言うことで、あまりにも前半生に罪を作っているので極端に警戒性の発達した鐘五郎は、店先から入って子分どもの関所を通った客でなければ会うはずもなく、どんな親しい人と見極めが付いても、厳重な雨戸の締りを外して、庭から寝室へ直接客を通すなどということは、全く想像もできないことだったのです。
よしんばまた、雨戸を鐘五郎に開けさせて庭から直接入ったとして、曲者は鐘五郎を刺した後で、どうしてここを脱け出したことでしょう。窓も雨戸も、厳重に締っていたことは、子分たち全部が証言することで、その間に疑いを挟むべくもありません。
「これじゃ手が付けられない、兄哥が持て余したのも無理はないよ」
平次もつくづくそう言う外はなかったのです。
「ね、銭形の、この通りだ」
三河町の佐吉も平次の困惑するのを見て、ホッとした様子でした。
「だが、曲者が入って、溝口屋を刺したことだけは確かだ。念のために子分の重立った者に、一人一人会ってみようじゃないか」
平次は諦めませんでした。