Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme
四
この上は三十八人の子分の顔から、曲者の匂いを嗅ぎ出す一手です。
四
「親分、御苦労様で」
一の子分の喜太郎は、少し光沢のよくなった顔を撫でながら、強かな微笑を浮べました。
「親分の死骸を見つけた時のことを詳しく聴きたいが――」
平次は静かに問い進みます。
「ヘエ――。何遍もくり返して、諳で覚えてしまいましたが、――あの晩、騒ぎの真っ最中に、お元の声を聞き付けて、六助と勘次とあっしが駆け付けました。親分は部屋の真ん中――ちょうど衝立の前のところに引っくり返ってもう虫の息もありません。こいつは大変と思ったから廊下の入口を六助に見張らせ、勘次に言い付けて、外科と三河町の親分さんと、町役人のところへ人を駆けさせました」
「雨戸を開けなかったのか」
「勘次が開けようとするのを、あっしが止めました。そいつは後で証拠になりそうだと思ったからで」
喜太郎はさすがに行き届きます。
「曲者は宵のうちから入って、騒ぎの後までこの部屋に隠れていたかも知れない。――捜してみなかったのか」
「捜しましたよ。大掃除ほどの騒ぎをしましたが、床下にも、天井裏にも、押入にも畳の目にも、蚤一匹隠れているこっちゃございません。