Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme
「何をッ、過ちはお互だッ? そっちから突き当って、よくもそんなことを言やがる。これでも喰らえッ」
パンパンパンと、ガラッ八の頬は鳴りました。小気味の良いほど手の早い男です。
「野郎、撲ったなッ」
モタモタと掴みかかる八五郎。
「撲ったがどうした、唐変木奴ッ」
つづいてまた四つ五つ、パンパンパンと打ってくる腕を辛くも引っ掴んで、ガラッ八得意の力業になりました。
「畜生ッ、こうしてくれよう」
相手はしかし恐ろしい早業でした。八五郎の胸倉を掴んで往来に引っくり返ると、仰向きになりながら手と足とを働かせて動きの遅い八五郎を滅茶滅茶に悩ませます。
「えッ、うるさい野郎だッ。――これが見えないか。御用だぞッ」
持て余し抜いた八五郎は、とうとう懐ろから十手を取出して、この厄介な挑戦者に見せる他はなかったのです。
「あッ、そいつはいけねエ」
相手はいっぺんに兜を脱ぎました。十手を見ると一も二もありません。八五郎の胸倉を離すと一足飛びに、どこともなく姿を隠してしまったのです。
「何という野郎だ。忌々しい」
八五郎は大舌打ちを二つ三つ、埃を払って駕籠を追いましたが、その時はもう肝腎の駕籠はどこへ行ったかわかりません。