Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十四)雛の別れ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme

Aozora Bunko

三

「何か容易ならぬ臭いがする。――仕事になるかならないか分らないが、駕籠から懐中鏡まで捨てるのはいじらしいじゃないか」

「どうしたら相手を突き止められるでしょう。親分」

「外に術はない、駕籠を捜し出すんだ。駕籠か若い衆に何か変ったことがなかったか」

「そう言えば一つありましたよ。――駕籠は四つ手に違いないが、筋の通った立派な品で、垂れをおろして中はわからないが、後棒を担いだ若い者は、右の耳朶がなかったようで――」

「それだけ分りゃあと一と押しだ。日本橋か芝か、ともかく、飛脚屋と町役人に聴いて、耳朶のない駕籠屋を捜し出し、どこからどこへ、どんな人間を送ったか訊いて来るがいい」

「そんなことならわけはありません」

八五郎には初めて事件を手繰る緒口が分りました。

「耳朶のない駕籠屋を捜すのはわけはあるまいが、心付けがうんと出ているだろうから、口を割るのは容易じゃあるまいよ。甘く見て失策るな」

「大丈夫ですよ、親分」

八五郎は懐中の十手をトンと叩いて、一散に事件の真ん中に飛び込みます。

三

それから三日目。

「あ、驚いたの驚かねエの」

ガラッ八の八五郎は、髷節を先に立てて、転がるように飛び込んで来ました。