Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme
「何を驚くんだ。三日に一度くらいずつその調子で飛び込まれると、俺の方が参るぜ。お前と付き合っていると、つくづく寿命の毒だと思うよ」
うつらうつらと三尺の庭にも陽炎の舞う昼下がりでした。仮名草紙を出して、九郎判官義経かなんかにあこがれていると、いきなりこの闖入者です。
「全く寿命の毒ですぜ。だから武家は付き合いきれねエ。――大丈夫あっしの首は繋っているでしょうね。見て下さいよ、親分」
八五郎はピタピタと自分の首を叩きながら続けるのでした。
「――無礼者ッ、手討にする、そこへ直れッと来た。――面白い、見事に斬っておくんなさい。斬られて赤い血が出なかったら、代は要らねエ。――かなんかで、沓脱の上へ尻を捲ると、いきなりピカリと来た。いや驚いたの驚かねエの、生垣を突き破って逃げ出すと、芝から神田まで、街角を曲るたびに、月代と顎を押えて、一目散に飛んで来ましたよ。うっかりガン首が胴体から離れて、ポロリと落ちた日にゃ、焼継ぎはきかねエ」
「馬鹿野郎ッ、何というあわてようだ。抜身で脅かされて逃げ出して、懐ろの十手の手前済むと思うか」
「それがね、親分。相手が悪いんで。何しろ、千二百石の御旗本、佐野求馬様――」