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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十)金色の処女

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 137.868 Zeichen · 278 Bildschirme

Aozora Bunko

お嬢様の若葉には縁側から挨拶しました。小机に凭れて、眼を脹らしておりますが、下膨れの細面が、類のない上品さです。

「お願い申します」

半分は口の中で言う言葉が、千万言の雄弁よりも、少なくとも、平次の後ろからヒョコヒョコとお辞儀をする八五郎には徹した様子です。

「お嬢様、きっとこの平次が、悪戯者を見付けてお目にかけます。――が、一つだけお尋ね申します」

「何なと」

「お屋敷で口紅をお使いになるのは、どなたとどなたでございましょう」

「私と、それから松だけ、――母上はお用いになりません」

屹とした言葉は、死んだ母の無実を少しでも晴らそうというのでしょう。

「皆様お使いの小菊を一枚頂戴いたしとうございます」

「…………」

若葉は黙って手筐の中から一と束の小菊を取出して、平次の方に押しやりました。

「有難うございました」

一枚取って見ると、謎の文句を書いた紙と全く同じ漉きです。

「それから、これは私の紅、と、筆」

可愛らしい鏡台の抽斗から出した紅皿が二つと、これも可愛らしい紅筆が一本、平次の前にそっと押しやるのでした。紅皿の一つは使いかけですが、筆の穂が太く柔かくて、とても、美しい仮名文字などを書ける品ではありません。