Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 137.868 Zeichen · 278 Bildschirme
一色友衛の眼は芸術的な陶酔からさめて、現実の世界のあこがれに活き活きと輝きます。
平次はそれ以上に追及する題目もなかったのでしょう。一色友衛と別れて、今度はあやめと廊下で立話をしている鳩谷小八郎を見付けて、人のいないところに誘いました。
「鳩谷さんは御武家の出だそうですね」
「三男ではどうにもならない、――笛でも稽古しなきゃ」
少し捨鉢な調子です。
「死んだお百合さんはどんなお嬢さんでした」
「良い人だった、あんな人は滅多にないな」
「妹のあやめさんは?」
「さア」
小八郎は含蓄の深い笑いを残して、平次の思惑に構わずサッと向うへ行ってしまいました。
「親分、下手人の当りはつきましたか」
ガラッ八は心配そうな顔を出しました。平次の動きを、不愉快な顔で見守っている、佐吉の態度に、少しばかりムシャクシャしている様子です。
「解っても縛るわけに行かないよ」
「ヘエ――」
「よっぽど巧んだ仕事だ。こんな恐ろしい人間を、俺はまだ見たこともない――」
平次は何となく萎れ返っております。
「男ですかい、女ですかい」
「それがね」
「驚いたね」
ガラッ八は恐ろしく酸っぱい顔をして見せるのでした。