Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきぐにのはる
雪国の春
柳田 国男
Lesen Sie 雪国の春 (ゆきぐにのはる) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.000 Zeichen · 266 Bildschirme
子供の眼
三月や半季の土工人夫などに世話をして、職業仲介の公務がまっとうせられたと思ってはならぬ。帰農ももとより労働の一機会ではあるが、棄てておいてももとの穴へ入っていくと見るのは、恕しがたい無理である。いったんあけ渡した空隙は必ず何ものかが充たしている。別に新たに設けてやらなければ迷うのが当然だ。当節は農民はどこへ行っても同じ農民である代わりに、村に占領せられず村に利用せられぬ国土はほとんどない。有形無形の加入金を徴収せず、カリフォルニア人と正反対の態度で、他所者を迎えるような村などは作らなければ自然には一つもない。これを知らずに帰農を説く人は、気の毒というよりもむしろ憎い。
子供の眼
目が心の窓だという諺は、旅をする者には一番よくわかる。二十の紹介状、五十の名刺をくばってあるくよりも、さらにはるかに好都合なのは、自分の心の窓のすりガラスでないことと、田舎の心の窓の風通しのよいことである。よく旅から帰って、その地は人気がよいの悪いのという人も、その確信を証拠だてるまでに、多数の地方人と交渉または取引をしたのではない。やはり口では言い現わしえぬ目の交通が、しだいに空な感じと思われぬまでに、強くその印象を与えるからである。