Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきぐにのはる
雪国の春
柳田 国男
Lesen Sie 雪国の春 (ゆきぐにのはる) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.000 Zeichen · 266 Bildschirme
雪中随筆
新交通
雪中随筆
新交通
新しいわれわれの交通方法は、まだ完全に旧い天地と調和していなかった感じがする。たとえば日本のごとく雪の深い、谷と崖ばかり多い国で、これほど頻繁に汽車を走らせている国は、世界中に他にはもうないようである。
今年はまたことにひどい雪で、ほとんど毎日といってもよいくらいに、どこかで大風雪が汽車を埋めている。遠い土地にばかり友だちを持っている者の、本当に寂しくてたまらぬ季節である。
それだのに村の普通の生活は半分しか理解することあたわず、政治とか読書とかいう隣人と共通でない趣味に、心を傾けようとする人々が、田舎の隅々に分散して居住する時代になった。この人たちの互いの交通路にも、冬はしばしば目に見えぬ雪崩のごときものが、襲うてくるらしいのである。
たとえば東京などでは、この二月の初めの土曜日が初雪で、それが野山の松や櫪の蔭にきらめいて、かえって青空の光を明るくした。阿波から土佐への海に沿うた村々では、梅の紅白が早すでに散り乱れている。久しく寒い故郷を出てこんな国に留まっている人ならば、吹雪の田家の光景を忘れてしまうというよりも、むしろ思い出すことができぬのである。