Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せいしゅんのぎゃくせつ

青春の逆説

織田 作之助

Lesen Sie 青春の逆説 (せいしゅんのぎゃくせつ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.593 Zeichen · 325 Bildschirme

Aozora Bunko

二時間ほど経ってやっと足音がしたかと思うと、赤井は真赤な顔をして帰って来た。

「君ひとりか?」と訊くと、赤井は酒くさい息をはきながら、「野崎の奴いくら待っても来ないんだ。一時間以上も待たされた。いつもの伝だと思ったから、諦めて京極で酒を飲んで帰って来たんだ」

試験中でなにか殺気立っているだけに、赤井は常になくぶりぶり怒っていた。ノートが無いから、勉強の仕様もなく、二人で無駄話をしていた。だんだん夜が更けて来たが、野崎が帰って来ないのでもう明日の試験は諦めようと、興奮しながら言い合っているところへ、野崎がノートを持ってしょんぼり帰って来た。もう十時過ぎていた。

「なんや、赤井、君帰ってたんか?」妙な顔をしてそう言う野崎に二人はあきれてしまった。

訊いてみると、案の定、野崎はうっかりして約束の時間を間違えたのだった。赤井が出たあとへはいって行って、赤井はえらい遅いなと思いながら、一時間半も待っていたとのことである。一足先に帰るということも考えたが、赤井があとから来ては困ると思ったのと、一つには寒い夜道をひとりで鹿ヶ谷まで帰るのが淋しかったので、いつまでも待っていたのである。