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Japanische Klassiker mit Furigana

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せいしゅんのぎゃくせつ

青春の逆説

織田 作之助

Lesen Sie 青春の逆説 (せいしゅんのぎゃくせつ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.593 Zeichen · 325 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし、さすがに豹一は、そういう矛盾に気づいたのか、それとも照れていたのか、すっかり悦に入ってしまっているわけではなかった。

だから、そんな風に質問されて、「いや、光栄のいたりです」などと、たとえ笑いながらにしても、言うような莫迦げたことはしなかった。といって、咄嗟に良い返答も泛ばなかった。

「まあ、しかし……」結局、そんな風に口のなかで呟いた。

多鶴子は気色を損じてしまった。豹一は多鶴子の心の動きに敏感になっていたから、すぐ、(拙いことを言ったもんだ)と、気がついて、

「僕いま勤務時間中をサボってることになるんです。たまにサボるのも良いですね」苦しい弁解だった。

が、この言葉は釈りようによっては「私と歩くのはお嫌い?」という多鶴子の問に答えていることになった。少くとも多鶴子は、豹一が自分と一緒に歩くことを喜んでいるものと釈りたかった。釈った。

つまり、その苦しい弁解はいくらか成功だった。多鶴子も満足したし、また豹一も満足出来た。誰にきかれても恥しくない言葉だったからである。

この豹一の慎重さは、なお見るべき効果を収めた。彼は厚面しい男や、抒情的な恋人のよく使う、