Japanische Klassiker mit Furigana
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せいしゅんのぎゃくせつ
青春の逆説
織田 作之助
Lesen Sie 青春の逆説 (せいしゅんのぎゃくせつ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.593 Zeichen · 325 Bildschirme
「こうして歩いているところを見たら、ひとはどう思うでしょうかね?」
というような、思わせ振りな言葉はあくまで警戒していた。つまり、教養ある女をいっぺんにうんざりさせてしまうような言葉を、調子に乗ってうかうかと口にするようなことはしなかったのである。そのため、多鶴子は若い新聞記者と肩を並べて御堂筋の舗道をわざわざ往復しているということを、必要以上に意識せずに済んだ。自然豹一の心を惹きつけるための無意識な媚はすらすらと発露された。豹一は自惚れても良かったのである。ところが、意外な出来ごとのために、豹一は全然正反対の気持になってしまった。
大丸の前まで来た時だった。
「毛利さんに妹さんがあったら、きっと綺麗な人だと思うわ」
と、相手の嬉しがるような言葉を口に出しかけた多鶴子が、不意に顔色を変えて言葉をのみこんだ。真蒼な痙攣が多鶴子の横顔に来た。おやっと思った豹一の眼に、大丸の扉を押して出て来た男の姿が、なぜか止った。
バンドのついた皮の外套を短く着て、ゴルフ用のズボンを覗かせていた。縁なしの眼鏡の奥から、豹一をじろりとにらんだ。が、その前にその男は多鶴子の顔を見ていた。