Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
せいしゅんのぎゃくせつ
青春の逆説
織田 作之助
Lesen Sie 青春の逆説 (せいしゅんのぎゃくせつ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.593 Zeichen · 325 Bildschirme
彼は女の生理の脆さに絶望してしまった。彼がいきなり多鶴子を突き飛ばしたのも無理はなかった。
(女って駄目だ!)なぐりつけたいような気になった。
「矢野とはなんにもなかったと、誓ってくれ!」半泣きの声を出して、そんな無理なことを言ったかと思うと、
「いまでも矢野が好きなんだろう?」噛みつくように言って、ピシャリと多鶴子の頬をなぐった。
いかにも内気らしくおどおどしたり、つんと済ましこんでいたり、随分ぎこちない豹一ばかり見て来た多鶴子は、そんな情熱的な豹一を見ると、思わず唇の端に微笑を泛べた。そして、恐らくは無意識だったろうが、もっと彼を苛めるようなことを、ふといってしまった。
「ダンサーをしていた時、いろんな人に口説かれて困ったわ、伊太利人もあったわ」
ちょっとした昔話と、きき流せることも出来る言い方だったが、豹一の顔は途端に曇った。
「好きになったんだろう? 誰か……」
「そりゃ、少しは……。しかし、たいしたことはなかったわ」
「どんな人?」
「やっぱり踊りの上手な人ね。リードのうまい人だったら、踊ってる間だけ、ちょっと迷わされるわ」
豹一の顔はにわかに歪んだ。