Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せいしゅんのぎゃくせつ

青春の逆説

織田 作之助

Lesen Sie 青春の逆説 (せいしゅんのぎゃくせつ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.593 Zeichen · 325 Bildschirme

Aozora Bunko

だから、豹一は喜んでもよかったのだ。ところが、豹一は「これまで……」といういい方が気にくわなかった。

(これまで何人の男に惚れたんだろう?)

ほんの言葉の端にも、(嫉妬)がひっ掛かって行くのだった。なお、そんな風に「好きになった」とはっきり言われるのも辛かった。いっそ嫌いだと言われた方がサバサバするのだった。愛されていると思うと、一層嫉妬の苦しみが増すばかりだった。

豹一は朝までけわしい表情を続けていた。そして、朝になると、その表情は一層はげしくなった。

朝刊に昨夜「オリンピア」の表で暴行事件があったと、出ていたのである。

東洋新報記者撲らる

原因は女出入か?

そんな風な見出しであった。どの新聞にも出ているというわけではなく、載せているのは「中央新聞」だけだったが、「中央新聞」は「東洋新報」と色彩を同じくし、いわば文字通りの商売敵だった。従って皮肉な調子が記事にあらわれていた。朝の珈琲を応接間の長椅子に腰かけて飲みながら、新聞を読むという余り柄にもないことをやったばっかしに、そんな記事を読まされてしまったのである。豹一は黙ってそれを多鶴子に渡した。