Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せいしゅんのぎゃくせつ

青春の逆説

織田 作之助

Lesen Sie 青春の逆説 (せいしゅんのぎゃくせつ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.593 Zeichen · 325 Bildschirme

Aozora Bunko

多鶴子は記事のなかから、自分の名前を見つけてしまうと、いきなり、(あ、佐古が書かしたんだわ)と思った。

豹一とそのような関係になった以上、佐古の嫉妬の仕業だと思うのは一応当然ではあったが、じつはその記事は撲った道頓堀の勝の友人の記者が書いたのだった。佐古のためにここで弁解して置くが、佐古の与り知らぬことだった。藪蛇になるようなことを佐古がするわけもない筈だ。それに、出されてわるい「オリンピア」の名もちゃんと出ているではないか。

しかし、「中央新聞」もまた「オリンピア」の広告を毎週掲載している以上「オリンピア」の悪宣伝をするために、その記事を載せたわけではない。全く正反対だった。

「村口多鶴子を迎えて連日満員の『オリンピア』の前で」東洋新報の某記者が口論の末なぐられたと、ただそれだけの記事で、いわば「オリンピア」の宣伝をしているようなものだったが、多鶴子は自分の名前が出ている以上、昨夜豹一が撲られたことをあわせ考えて、なにかそれに深い意味を見つけざるを得なかった、彼女はもはや「オリンピア」へ行く気がしなかった。ひとつには豹一と一緒に居る時間を割くのがいやだった。