Japanische Klassiker mit Furigana
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せいしゅんのぎゃくせつ
青春の逆説
織田 作之助
Lesen Sie 青春の逆説 (せいしゅんのぎゃくせつ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.593 Zeichen · 325 Bildschirme
だから、もうあとの交際は半分惰性のようなものだった。実は、少しうんざりしていたのである。ただ、いやな父親の顔を見ているよりは、紀代子と会っている方が気が楽だった位のものである。それともう一つ、豹一にも案外気の弱い、しおらしいところがあって、理由もないのに約束をすっぽかすことが済まなく思われたからである。
そんな風だったから、二人の仲は三月も続いたが、あとで紀代子が自分に言って聴かせたように、「手一つ握り合わなかった清い仲」だった。豹一にそれ以上のものを求める理由もなかったからだった。紀代子にもたいして恋愛の経験はなく、また生れもよかったから慎しみ深かった。豹一と言えば全く少年だった。それに、豹一にはそんな真似を自ら進んでして、嗤われるだろうという心配があった。そんな臆病な自分を、しかしののしったこともある。
(紀代子がどんな顔をするか、いやがるかどうかを試してみる必要があるかも知れない)
しかし、もし豹一がその必要をもっと激しく感じたとしたら、元来が向う見ずな男だから、もっと大胆な行動に訴えたかも分らぬ。ところがそれだけは如何なる破目に陥っても出来ぬわけがあった。