Japanische Klassiker mit Furigana
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せいしゅんのぎゃくせつ
青春の逆説
織田 作之助
Lesen Sie 青春の逆説 (せいしゅんのぎゃくせつ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.593 Zeichen · 325 Bildschirme
二学期が来て、高等学校の生徒がそろそろ鎰屋へ顔を見せる頃になっても、豹一の姿だけが現れないとさすがに分ると、お駒はぽかんとしてしまった。自分の顔がだんだん醜い表情を取り出したので、あわてて化粧をしたりした。
(男というものは二月も会わないでいると、もうそのひとを忘れてしまうのだろうか?)こんなことを慰めみたいに考えた。が、豹一のことはなぜか恨む気持になれなかった。(あの人は前途ある高等学校の学生さんだもの、私らを相手にしないのは当り前だ)
妙なところで、豹一は三高であることが役立ったのである。豹一は二ヵ月の休暇を利用して、やっとお駒と離れてしまったということに、少し自責めいたものを感じていた。お駒を自尊心のだしに使ったということが、済まない気がしていた。豹一はただ、
(俺の様にあっさりと女と別れられる奴はいないだろう。皆んな未練たらしくめそめそしてやがる!)と周囲を見廻してみて、やっと心を慰めた。
例えば、赤井は此の半年間、一人の女に通い続けているではないか。そのため赤井は寮費を滞納して、寄宿舎を追い出され、鹿ヶ谷の下宿へ移ったが、下宿料が後払いだったのに油断して、家から送って来た金を全部その女に注ぎ込んでしまった。