Japanische Klassiker mit Furigana
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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.757 Zeichen · 321 Bildschirme
モー二、三年も過ぎてからでようございましょう」客「僕も急に欲しくなった訳でありませんが少し急ぐべき事情があるのです。僕がぐずぐずしていると国元から押掛女房が遣って来そうなので」妻君「そんなお方がおありなさるのですか」客「外でもありません僕の従妹です。全体僕の家は分家で従妹は本家の娘ですが僕の学資を半分ずつ本家から助けてもらった恩もあり、もしやその娘を貰ってくれろといわれたら断るに困ります。まだ別段親の口からも叔父の口からも何という相談が来た訳でありませんが僕の親と向うの親との間にその下心なきにあらずで一昨年帰省した時、僕がそれを察知したのです。それに僕もお情けながら大学を卒業して文学士とか何とか肩書の付いてみれば国元のような片田舎では鬼の首を取ったように思うのです。ヤレ卒業祝いをするから帰って来いの村中一統の名誉だから一度帰れのと去年から頻に催促が来ますけれども、うっかり帰ると忽ち嫁の相談となってその従妹を押付けられるに違いないから僕も国へ帰りません。なるべく此方で好い嫁を貰ってその後に帰りたいと思います」妻君「それならばなお結構でありませんか。