Japanische Klassiker mit Furigana
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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.757 Zeichen · 321 Bildschirme
亀甲万をくれろとか山サをくれろとか言っても外の下等の醤油を亀甲万や山サの樽へ詰め換えて知らん顔をして持って来ます。ですから一々その度ごとに検査しないと同じ印でも以前の品物と変っている事が毎度あります」大原「それは怪しかりません。全く商人の徳義心が欠乏して信用という事を重んじないからそんな悪策をするのですね。しかし醤油を一々検査して以前の品物と違うか違わないかという事を見出すのは随分面倒でしょう」お登和「イイエ簡略な検査法は少しも面倒な事がありません。一つ試してお目にかけましょうか。婆やさん、其処の棚に一合入の正宗の壜の明いたのがあるね。それをよく洗ってお醤油を半分ほど入れてお酒の燗をするように鉄瓶の中へ入れてよくお湯を煮立たせておくれ。それからね、ちょいと横町の酒屋へ行って悪い醤油を一合買って来ておくれ」と遂に再び台所へ上り込みて自ら火鉢の火を煽ぎ「大原さん、お醤油は何処の台所でも一年中使うものですから簡略な検査法位知っていなければなりません。極く無造作な事です。硝子壜へ入れてお酒の燗をするようにしてよく湯煎にして見れば直ぐ分かります。コラ御覧なさい、モー出来ました」