Japanische Klassiker mit Furigana
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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.757 Zeichen · 321 Bildschirme
大原頻に感心し「お登和さん、醤油の検査法は実に妙ですな。こうすれば誰にでも直ぐ分ります。以来は醤油を買う時に必ず検査を施しましょう。オヤオヤ今の蛋白質が段々底の方へ沈澱しますね、こうした醤油は食べるのに差支ありませんか」お登和「別に差支ありません。一度湯煎にしたのは長く置いてもカビが生えません」大原「そうですか。こう手軽に検査が出来れば狡猾な商人に偽物を押付けられる憂もありませんがモット精密に検査する法がありますか」お登和「精密に検査すると第一が香気、第二が味、第三が足といって粘着力の三点を調べなければなりません。その外に色の濃いのと淡いのとありますが濃いのは醸造の時高い温度を与えたので、その代り香気が幾分か減じます。味といっても鹹い中に一種の甘味がなければなりません。足というのは醤油の粘着力で醤油が利くと利かないとはこの粘着力にあるのですから大切なものです。下等の醤油やあるいは上等の偽物は甘味と粘着力を加えるためサッカリンといって砂糖より四百倍甘い薬品を交ぜて素人を欺しますが、純粋の醤油は全く上等の豆と麦から出た甘味と粘着力でなければなりません」