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Japanische Klassiker mit Furigana

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くいどうらく

食道楽

村井 弦斎

Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.757 Zeichen · 321 Bildschirme

Aozora Bunko

精神を以て書いたものでなければならん。国民の子弟を教育すべき教科書事件の騒動を考えてみ給え。いかに文章辞句が巧妙でも収賄詐欺不徳無道の人の手に成ったものや検定されたものがどうして健全なる国民を教育し得るだろう。僕が教科書を編纂すべき任に当ったら、先ず第一に誠心実意忠良無二の精神ある人物を択んでその人に托するね。しかるに今や天下の文学者を見渡してそういう人が何処にある。頭は鈍くとも技倆は劣るとも誠心実意の点は大原君より外に名指すべき人がない。して見ると大原君は実に文学界で貴むべき人だ。将来に大事業をなすべき人だ。それに今の文学者は多く我慢の癖がある。自分の過ちを遂げ非を飾りたいという癖がある。それから嫉妬偏執の癖がある。他人の善事はあくまでも攻撃排陥して何でも悪く言わなければ気が済まんという癖がある。社会の事物を評するのが全く感情任せで道理の判断に拠らないという癖もある。独り大原君に限ってその癖がない。自分の脳髄の鈍い事を言立て他人の事は何でも褒る。学校にいた時分も自分の解らない疑問は誰の処へでも聞きに来る。自分より下級の人にでも尋ねる。あれは文学者に最も得難い美質だ。